
この記事の要点
- 名寄せは、同じお客様の分かれた顧客カードを1枚にまとめる作業で、案内の重複や履歴の分散を防ぎます
- 重複は登録の入口が多いことから日々少しずつ増えるので、定期的な作業として組み込みます
- 候補を探すのは仕組みに任せ、同じ人かどうかの判断と統合は人が行います
- 統合では項目ごとに残す値を選び、関連データの件数を確かめてから実行します
- 迷ったら統合しないことを決まりにし、登録の前に既存の顧客を検索する習慣をつけます
この記事で分かること
- ディーラーで顧客カードが重複する理由と、放置したときに起きること
- 重複の候補を探し、項目ごとに確かめて統合する手順
- 誤統合を防ぐ確認点と、重複を増やさない登録の決めごと
対象読者:自動車ディーラーの営業事務、店長、本部の顧客データ担当|読了目安:約8分
目次
顧客カードが分かれると起きること
同じお客様の顧客カードが2枚、3枚に分かれていると、その影響は顧客管理のあちこちに出ます。同じ人の記録が別々のカードに入るので、どのカードを見ても全体が分かりません。
現場で起きることを挙げます。
- 車検や点検の案内が重複して届く。郵送の費用がかさむうえ、管理が行き届いていない店という印象を与えます
- 商談の履歴が分かれる。前回の条件や試乗の感想が片方のカードにしかなく、別の担当が対応すると話を聞き直すことになります
- 車検の入庫の集計がずれる。入庫済みのお客様が、別のカードでは未入庫として残り、呼び込みの一覧に紛れ込みます
- 顧客のランクや分析を誤る。1人の購入と整備の実績が分かれると、大切なお客様が普通の顧客に見えてしまいます
- 担当が重なる。同じお客様に別々の担当が付き、連絡がかち合います
顧客の一覧が1人1枚に整っていることは、呼び込み、分析、引き継ぎのすべての前提になります。名寄せは、その前提を保つための作業です。
顧客カードが重複する理由
重複は、登録の窓口が多いことと、既存の顧客を確かめずに新しく登録できることから生まれます。ディーラーにはお客様の情報が入ってくる窓口がいくつもあります。
- 窓口が部門ごとに分かれている:新車、中古車、整備の受付、イベントの受付が、それぞれその場で登録します
- 一括の取り込み:他のシステムから移した顧客と、手で入れた顧客がぶつかります
- 表記の揺れ:「髙橋」と「高橋」、全角と半角、ハイフンの有無、姓と名の間の空白で、同じ人が別の文字列になります
- 連絡先の変更:引っ越しや電話番号の変更で、過去のカードと結び付かなくなります
- 法人と個人の混在:社用車を個人名で登録したり、屋号と代表者が別のカードになったりします
重複は1度きりの事故ではなく、営業を続けている限り少しずつ増えます。名寄せも1度の大掃除ではなく、定期的な手入れとして組み込みます。
探すのは仕組み、決めるのは人
名寄せは、候補を探す段階と、統合する段階に分けて考えます。Ribbonでは、候補を探すところを仕組みが手伝い、同じ人かどうかの判断と統合は人が行います。
| 段階 | 何をするか | 誰が行うか |
|---|---|---|
| 1. 探す | 似ている顧客カードの候補を洗い出す | 類似度で仕組みが候補を出す |
| 2. 確かめる | 本当に同じ人かを見て判断する | 担当者 |
| 3. 統合する | 残す値を選んで1枚にまとめる | 担当者が実行する |
統合が自動で走らないのは、誤統合のほうが重複より影響が大きいからです。親子で姓と住所が同じ家族や、たまたま連絡先が一致した別人を、機械の判断でまとめてしまうと困ります。そのためRibbonでは、決まった時刻に自動で統合する仕組みは持たず、人の確認を通す作りにしています。
重複の候補を探す
候補を探す方法は2つあります。特定の1人について調べるときは、顧客カードの重複を探すボタンから検索します。台帳全体を点検するときは、顧客一覧から重複スキャンを使います。
顧客カードから探す場合は、自動候補(類似度)とキーワード検索の2つの方法を選べます。自動候補では、名前、電話番号、メール、住所のどれで照合するかを選び、最小類似度をスライダーで動かします。厳しくすれば別人が候補に出にくくなり、緩くすれば見落としが減る代わりに確かめる数が増えます。

問い合わせの対応中に、この人は別のカードがありそうだと気づいたときは、キーワード検索で名前や電話番号を入れて探すほうが早く済みます。
重複スキャンは、自社の顧客全体を見渡して、似ている組み合わせを一覧にします。組み合わせごとに、顧客名が似ている、携帯電話が一致する、住所が似ているといった一致の根拠と類似度が表示されます。一括の取り込みをした直後や、定期の点検に向いています。
始めは最小類似度を高めにして、明らかな重複だけを片付けます。慣れてきたら少しずつ下げて、判断に迷う候補を人の目で確かめます。いきなり低くすると候補が多すぎて確認が追いつかず、作業が止まりがちです。
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項目ごとに残す値を選んで統合する
同じ人だと確かめられたら、統合(マージ)に進みます。顧客マージは、顧客の選択の確認、フィールドの選択、確認と実行の3段階で進みます。どちらかのカードを丸ごと残すのではなく、項目ごとにどちらの値を残すかを選べます。

マージ先に値がない項目は、はじめからマージ元の値が選ばれています。値が異なる項目には印が付くので、見落とさずに確かめられます。例えば氏名は正式な表記のもの、電話番号は新しいもの、メールは片方にしかなければそれを残す、といった選び方です。
統合の前には、それぞれのカードに紐付いている商談、活動、整備などの件数を確かめます。履歴の多いカードを統合先にすると、紐付けの付け替えの間違いが減ります。
統合を実行すると、統合元のカードは論理削除になります。物理的に消すのではなく、統合済みとして表に出なくなる扱いです。商談、活動、整備などの記録は統合先に引き継がれ、1枚の顧客カードでお客様の全体を見られるようになります。
誤統合を防ぐ確認点
名寄せで最も避けたいのは、別人を同じ人として統合することです。1度まとめると、切り分けには手間がかかります。
- 同姓同名を疑う:よくある姓名は、住所や生年月日まで一致するかを確かめます。電話番号の下4桁だけでは足りません
- 家族に気をつける:親子や夫婦は姓と住所が同じになりやすく、固定電話を共有していると電話も一致します。名前が違えば別人として残します
- 法人と個人を混ぜない:屋号のカードと代表者個人のカードは、関係があっても別に管理したほうがよい場合があります
- 類似度を下げた日は丁寧に見る:候補が増える分、判断に迷う組み合わせも増えます。類似度が高いだけで統合しません
- 確かなものから片付ける:明らかに同じものを先に処理し、迷うものは別に置いて、担当営業に確かめてから処理します
迷ったら統合しない、を決まりにします。重複が2枚残っていても影響は限られますが、別人を1枚にまとめると、本人確認や契約の場面でのトラブルにつながりかねません。
重複を増やさない登録の決めごと
名寄せを続けても、登録の仕方がそのままでは重複はまた増えます。新しく登録する前に、既存の顧客を検索する運用を登録の始まりに置くと、後の作業が軽くなります。
- 登録の前に検索する:来店の受付や整備の受付で新しいカードを作る前に、氏名と電話番号で既存の顧客を探します
- 一括の取り込みの後に点検する:他のシステムからの移行や名簿の取り込みは、重複が最も増えやすい場面です。取り込んだ後に重複スキャンをかけて、候補を確かめます
- イベントの後に確かめる:フェアの翌週は、急いで入力されたカードが増えます。登録の多い時期と名寄せの予定を組み合わせます
- 定期の点検を決める:四半期に1度など、担当と時間をあらかじめ決めて、日々の取りこぼしをまとめて整えます
登録の前に1度検索するだけで、後の名寄せの負担は軽くなります。名寄せと登録の決めごとがそろうと、顧客の一覧は整ったまま保ちやすくなります。
Ribbonが備える名寄せと統合の機能
名寄せと統合に関わる機能は次のとおりです。
- 重複候補の検索:顧客カードの重複を探すボタンから、自動候補(類似度)とキーワード検索で候補を探します。照合する項目と最小類似度を選べます
- 重複スキャン:自社の顧客全体から、氏名、電話番号、メールアドレスが似ている組み合わせを、一致根拠と類似度つきで一覧にします
- 顧客マージ:項目ごとに残す値を選んで1枚に統合します。統合元は論理削除になり、記録は統合先に引き継がれます。統合は人が実行します
- 権限設定:顧客マージやCSV取込の権限を、ロールごとに付け外しできます
- 顧客CSVインポート:他のシステムの顧客をファイルで取り込みます。取り込んだ後は重複スキャンとあわせて使います
- 顧客360度ビュー:統合した後の顧客カードで、保有車両、商談、活動、来店、メール、LINEなどをタブで切り替えて見られます
- 操作ログ:作成、更新、削除などの操作を記録し、後から確かめられます
料金の目安は料金ページで確認できます。
よくある質問(FAQ)
名寄せの作業は、誰に任せるとよいですか?
法人のカードと、その代表者個人のカードはまとめたほうがよいですか?
グループの別会社や他の店舗の顧客とも名寄せできますか?
名寄せの機能は基本料金で使えますか?
まとめ
手始めに、重複スキャンを1度かけて、いまの台帳にどれだけ候補があるかを見てみてください。最小類似度を高めにして、明らかな重複だけを片付けます。そのうえで、名寄せを担う人と、登録の前に検索する決まりを店で決めます。数が見えれば、四半期ごとの点検にどれだけ時間を取ればよいかも分かります。
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