
この記事の要点
- 整備提案の適期は、車検満了までの残り月数、前回整備からの経過、走行距離の伸び方の 3 点で読みます
- 経過の基準は、メーカーが決めた点検の間隔と車両側のサービス表示に置きます
- 3 点は顧客カードの保有車両タブとサービスタブに揃っています。接客のその場で突き合わせられることに価値があります
- 日付で決まる車検と点検は、車検点検呼び込みと自動タスク生成ルールで仕組みとして拾います
- 声かけの最優先は、安全に関わる不具合の兆候と、メンテナンスパッケージの切れ目に合わせた延長の提案です。任意整備には点数化の機能がないので、順番の判断基準を現場の言葉で書き出しておきます
この記事で分かること
- 整備提案の適期を、メーカーの点検の間隔と顧客カードの情報で判断するための 3 点の読み方
- 顧客カードの保有車両タブとサービスタブを使った提案優先度の見極め方
- 日付で決まる声かけを仕組みで拾い、状態で決まる声かけを人が読む役割分担
- フロントと営業が同じ顧客カードで提案を引き継ぐ運用と、よくある失敗
対象読者:自動車ディーラーの営業、サービスフロント、サービス課長、店長|読了目安:約10分
目次
整備提案の適期は3つの時間軸で読む
整備の取りこぼしの多くは、技術の問題ではありません。いま、この車に何を案内するかを判断する材料が、接客のその瞬間に手元に揃っていないことから生まれます。オイル交換だけで帰った車が、数か月後にブレーキの異音で他店に飛び込む。そうした機会損失は、材料が揃っていれば前回の来店で拾えたものが少なくありません。
整備提案の適期は、車検満了までの残り月数、前回整備からの経過、走行距離の伸び方という 3 つの軸を同時に見て判断します。どれか 1 つだけでは早すぎたり遅すぎたりします。3 つが重なるところに、顧客が納得して受け入れる時期があります。
なぜ 3 つなのか。整備には性質の違う 3 つの時間軸があるからです。
- 日付の時間軸。車検満了日と 12 か月点検は日付で決まります。新車から一定期間の無償点検が付くメンテナンスパッケージも、終わりの日が決まっています。車検は満了の 3 か月前あたりが声かけのきっかけになります
- 経過の時間軸。輸入車では、メーカーが決めた点検の間隔や、車両側のサービス表示が基準になります。前回の点検からどれだけ経ち、次の点検までどれだけ残っているかを見ます
- 使用の時間軸。タイヤ、ブレーキパッド、バッテリーは、乗り方しだいで消耗の速さがまったく違います。年 5,000 km の人と年 2 万 km の人では、同じ 1 年前の整備でも状態が別物になります
このほか、リコールやサービスキャンペーン、保証修理も入庫のきっかけになります。対象の確認と実施の管理はメーカー指定の DMS 側で行います。入庫が決まったら、ほかの整備の案内と一緒に組むと、顧客の来店が 1 回で済みます。
この 3 つを別々の帳票やシステムで管理していると、接客の場で頭の中で突き合わせることになります。逆に、3 つを 1 画面に並べられれば、提案の精度は経験年数に左右されにくくなります。入社 1 年目でも、ベテランと同じ材料を見て判断できます。
顧客カードのどこを見れば適期が分かるか
3 つの軸は、顧客カードの保有車両タブとサービスタブに揃っています。顧客カードとは、1 人の顧客に紐づく活動、保有車両、来店、商談、サービス、保険、タスク、メールなどを、タブの切り替えで把握できる画面です。Ribbon(リボン)は、この顧客カードを土台にした自動車ディーラー向けの統合管理 SaaS です。
提案の適期を読むとき、見る場所はおおむね決まっています。
| 見る情報 | どこにあるか | 何を読むか |
|---|---|---|
| 車検満了日 | 保有車両、車検点検呼び込み | 満了まで何か月か。3 か月前なら声かけのきっかけ |
| 前回整備の日付と内容 | サービスタブ | 前回が何で、いつだったか。メーカーの点検の間隔で次がいつか |
| 走行距離 | 保有車両、サービスタブの記録 | 前回整備時との差。月あたりの走行ペース |
| 過去の提案への反応 | 活動タブ | 以前ブレーキを案内して断られた、などの経緯 |
| 入庫時の車両状態 | 整備記録の入庫チェック | 残燃料、外装のキズや凹みの位置の控え |

1 台の車で考えてみます。車検満了まで 8 か月あり、日付の時間軸ではまだ早い段階です。しかし前回の入庫から走行距離が 1 万 km 以上伸び、前回の点検ではブレーキパッドの残りが少なめと記録されています。
この乗り方なら、今日の来店でパッドの残量を見ておこう、と言葉になります。3 つの時間軸を重ねたときに、いま声をかける理由が生まれます。
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日付で決まる声かけは仕組みで拾う
いま案内する時期だと分かっても、声かけを忘れたら意味がありません。後追いは、日付で決まるものと状態で決まるものに分け、前者を仕組みに任せると楽になります。
車検と法定点検は日付で決まります。Ribbon の車検点検呼び込みは、保有車両の車検満了日から対象を月別に抽出し、呼び込み結果、入庫予定日、折り返し予定、検討時期を一覧で追います。呼び込みを自動で作る条件は、顧客の源泉(自社販売、他社販売、サービス入庫など、顧客になった経緯の区分)とブランドの組み合わせごとに設定できるので、自店で扱う対象だけに絞れます。車検の取りこぼしは売上への影響が大きいので、ここは仕組みで拾うのが現実的です。

さらに、自動タスク生成ルールを使うと、条件に合う顧客へのフォロータスクを日次で起こせます。ルールにはトリガーと条件、担当を設定します。車検満了や法定点検が近い顧客へのフォロー、未成約のまま動いていない商談の検知といった、よく使うルールをテンプレートから追加できます。

LINE 公式アカウントの連携を使っているなら、車検満了日に合わせたリマインダーを LINE で送る手もあります(有料オプション)。初期値は満了 30 日前で、60 日から 90 日前に変えて使えます。誰が読んだかは LINE の仕様上取れないため、Ribbon では本文のリンクのクリックを顧客ごとに測ります。開封の扱いはLINE絞り込み配信の効果測定|配信ごとのクリックで比べるで整理しています。
状態で決まる任意整備は人が読む
タイヤ、ブレーキパッド、バッテリーのような任意整備は、日付ではなく状態で決まります。Ribbon には、整備単位で推奨度を点数で出す機能はありません。担うのは判断材料を集めることで、車検満了日、前回整備の内容と日付、走行距離、過去の提案への反応を 1 つの顧客カードに揃えます。点と点を線でつなぎ、だから今これを案内すると判断するのは人の仕事です。
整備提案で迷うのは、やるかやらないかではなく、どの順で声をかけるかです。優先度を分ける判断基準を現場の言葉で書き出しておくと、提案のばらつきが減ります。例えば、次のような分け方が考えられます。メーカーの点検基準と自店の実績で調整する前提の例です。
- 最優先(今日の来店で声をかける):安全に直結する不具合の兆候がある。メンテナンスパッケージの終わりが近く、延長の提案ができる。車検満了まで 3 か月以内
- 準優先(今日触れて、断られたらタスクにする):車両側のサービス表示やメーカーの点検の間隔で、次の点検が近い。タイヤとブレーキパッドは残りの量と走行距離の伸びで見る。バッテリーは点検の結果で見る
- 見送り(記録だけ残す):前回整備から日が浅い。直近で同じ提案を断られている。予算の事情を本人が明言している
メンテナンスパッケージの切れ目は日付で決まる話ですが、任意整備の声かけと同じ接客の場で扱うので、ここで最優先に並べます。無償で受けていた点検がそこで終わり、顧客が次の入庫先を選び直す時期になるからです。延長のプランがあるなら、これまで何が含まれていたかと、切れた後の点検がどうなるかを、その車に合わせて説明します。延長するかどうかにかかわらず、案内した結果は活動履歴に残します。
判断した優先度は、時期を添えて記録すると次の人が動けます。準優先でタイヤを案内したが今回は見送り、次回の車検で再提案、と活動履歴に残します。次に開いた人は、前回どう読んでどう動いたかを引き継げます。
フロントと営業で整備提案を引き継ぐ運用
整備提案がうまく回る店では、フロントが気づいたことを営業が知り、営業が聞いた予算の事情を整備が知っています。その橋渡しは、同じ顧客カードの活動履歴に記録を残すことで成り立ちます。自動で共有されるのではなく、記録するから共有される仕組みです。
例えば、整備フロントが入庫時に、次回タイヤの交換が要るが今回は予算の都合で見送り、夏までに再提案、と聞いたとします。それを活動履歴に残せば、次にその顧客が新車の相談で来店したとき、営業が同じカードを開いて整備側の観察に気づけます。別の担当者から自然に声が出ます。

記録の運用には型があると楽です。活動は目的、手段、結果の 3 つで残すと、後から読む人に伝わります。整備フロントの記録も同じで、何のために聞いたのか、どの手段で聞いたのか、顧客はどう答えたのかを 1 行にします。フロントは口頭で伝えたつもり、営業は聞いていない、というすれ違いを防ぐには、入庫対応の締めに活動履歴を 1 行残すことを業務の流れに組み込んでおくと確実です。
入庫時の相談を録音している場合は、商談と同じ録音、文字起こし、AI 要約を使えます。文字起こしは録音中にリアルタイムで字幕になり、AI 要約は録音を止めると自動で作られます。録音は手動で開始し、顧客への紐付けも人が行います。文字起こしと AI 要約は有料オプションです。
録音の前には、目的を伝えて同意をいただく運用をおすすめします。整備の現場メモまで全部を文字にする必要はありませんが、予算や納期の約束は記録に残しておくと後で効いてきます。
よくある失敗パターン
整備提案のタイミングを考えるとき、現場でよくつまずく型を挙げます。
- 走行距離を記録していない。使用の時間軸が抜けると、提案の根拠が経過月数だけになり、乗り方の違いを読めません。距離は自動では入らないので、記録がなければ存在しないのと同じになります
- 車検満了だけで声をかけている。法定整備は拾えても、タイヤ、バッテリー、ブレーキの機会を逃します。車検来店こそ、3 つの軸でついでの整備を読む場面です
- 断られた提案を記録していない。前回断られた整備を、次もまた同じ言い方で案内してしまいます。前回見送り、理由は予算、と残っていれば、再提案の時期と言い方を変えられます
- システムが推奨度を出すと期待して、人が判断基準を持たない。材料は揃う、読むのは人、と最初に決めておくと迷いません
- 記録が整備フロントで止まり営業に届かない。同じ顧客カードを使っていても、活動履歴に残す運用がなければ部門間で分断されます
Ribbonが備える整備提案を支える機能
Ribbon は、整備提案の判断を支える機能として次を備えています。整備単位で推奨度を点数化する機能はなく、材料を 1 画面に束ねることに重心を置いています。
- 顧客カード(顧客360ビュー):1 人の顧客の活動、保有車両、来店、商談、サービス、保険、タスク、メールなどをタブの切り替えで把握します。接客のその場で 3 つの軸を確認する元になります
- 保有車両:車種、年式、ナンバー、走行距離、購入日、車検満了日を車両ごとに持ちます。日付の時間軸と使用の時間軸をここで読みます
- サービスタブと整備記録:整備の種類、入庫予定と完了の日付、作業内容、走行距離、金額を時系列で持ちます。整備記録の入庫チェックで走行距離を入力すると保有車両にも反映されます。有料オプション(サービス管理)
- 活動履歴:過去の提案と顧客の反応を日時と担当者とともに記録します。断られた経緯まで残せるので、再提案の時期と言い方を調整できます。記録は手入力です
- 車検点検呼び込み:車検満了日が近い保有車両を月別に抽出し、呼び込み結果、入庫予定日、折り返し予定、検討時期を管理します。源泉とブランドの組み合わせで自動作成の対象を絞ります。有料オプション(車検点検管理)
- 自動タスク生成ルール:トリガーと条件、担当を設定し、条件に合う顧客へのフォロータスクを日次で起こします。車検満了や法定点検のフォロー、未成約のまま動いていない商談の検知に使えます
- タスク管理:任意整備の後追いを、タイトル、顧客名、担当者、期限、優先度のあるタスクとして残します。自分のタスクと店舗全体を切り替えて見られます
- LINE 公式アカウント連携:車検満了日に合わせたリマインダーを LINE で送ります。初期値は満了 30 日前で、60 日から 90 日前に変えて使えます。本文のリンクのクリックを顧客ごとに測れます。有料オプション
- 録音、文字起こし、AI 要約:入庫時の相談を録音すれば、要点と次の行動が顧客カードから参照できます。録音は手動開始、紐付けは人が行います。有料オプション
料金の目安は料金ページで確認できます。
よくある質問(FAQ)
走行距離はどうやって把握すればいいですか?
サービス表示がまだ先なら、提案は待った方がいいですか?
断られた整備は、どのくらい空けて再提案すればいいですか?
Ribbon に整備推奨度を自動で点数化する機能はありますか?
まとめ
まずは来週入庫する予定の数台について、顧客カードを開いてみてください。走行距離と前回の整備の内容と日付が揃っているか、メンテナンスパッケージの終わりの時期がすぐ分かるかを確かめます。欠けている項目があれば、そこが入庫の受付で記録を足すところです。
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