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LINEステップ配信の設計|友だち追加から段階的に育てるシナリオ

📖 約10分更新 2026-06-18
自動車ディーラーがLINEステップ配信で友だち追加後のシナリオを分時間日の間隔で組むRibbonの画面
友だち追加をトリガーに、各メッセージの間隔を分・時間・日で指定して段階配信を組む

この記事の要点

  • LINEステップ配信は、友だち追加をトリガーに分・時間・日で指定した間隔でメッセージを順に送る仕組み。一人ずつ手で送らなくても見込み客を段階的に育てられる。
  • 送信間隔は固定遅延で、設計者が決める。相手ごとの最適送信時刻をAIが自動調整する機能はない。だから初回の間隔・本数設計がすべて。
  • ステップ配信(こちらから順に送る育成)と自動応答(相手の動きへの即時返信)は役割が違い、補い合わせて使う。
  • 友だち追加直後・翌日・3日後・1週間後を起点に3〜5本から始め、効かない回を削る。各通のカード/ボタンのクリックはステップ別に計測でき、押した友だちを個人抽出→タグ付けして絞り込み配信で再アプローチできる。
  • 配信に乗せたLINEのやり取りは、顧客カードへ手動で紐付けて初めて活動履歴に残る。

この記事で分かること

  • LINEステップ配信が どういう仕組みで、何を自動化し、何をしないのか
  • 友だち追加から成約・再来店までの シナリオの組み立て方(間隔・本数・分岐の考え方)
  • ステップ配信と 自動応答の使い分け、そして配信したやり取りを顧客資産に残す段取り
  • 配信停止・ブロックを招かないための 本数と頻度の歯止め

対象読者:自動車ディーラーのマーケ担当・店長・LINE運用担当|読了目安:約10分

はじめに:水曜の夜、友だちは増えるのに来店は増えない

水曜の夜8時。愛知県の輸入車ディーラーで、販促を一人で抱えるマーケ担当の柏木(仮名)は、LINE公式アカウントの友だち数を眺めていた。店頭ポスターのQRコードと試乗予約の導線が効いて、先月の友だちは120人増えた。数字だけ見れば順調だ。

ところが来店は増えていない。理由ははっきりしている。友だち追加された瞬間に自動のあいさつが1通流れるだけで、そのあとは何もしていなかった。月に一度の一斉配信があるだけ。追加から次の接点まで、運が悪ければ3週間も空く。その間に、見込み客は別の店で見積りを取り、検討を終えていく。

「友だちを集める導線は作った。でも、集めた友だちに何を、いつ話しかけるかを決めていなかった」

柏木に足りなかったのは集客でも友だち数でもない。追加された一人ひとりに、適切な順番と間隔で話しかけ続ける段取りだ。一斉配信は全員に同じタイミングで同じ内容を流す。だが見込み客の「今日が追加1日目」は、それぞれ別の日に始まっている。ここを埋めるのがLINEのステップ配信だ。

本ナレッジは、友だち追加を起点にしたステップ配信のシナリオ設計を、自動車ディーラーの実務に即してまとめる。なお、ここで言う Ribbon(リボン)は、自動車ディーラー向けの統合管理SaaS で、顧客管理・商談・整備・LINE連携を1つに束ねる。本記事ではそのLINEステップ配信機能を題材にする。

LINEステップ配信とは何か

LINEステップ配信とは、友だち追加をトリガーに、あらかじめ用意した複数のメッセージを段階的に送る仕組みだ。各メッセージを送る間隔を分・時間・日で指定し、追加された人それぞれの起点から順番に流す。

一斉配信との違いは「起点」にある。一斉配信は全員に同じ日時で同じメッセージを送る。ステップ配信は、Aさんが月曜に追加したらAさんの月曜が1日目、Bさんが金曜に追加したらBさんの金曜が1日目——というように、各人の追加日からカウントして送る。だから「友だち追加の翌日に試乗の案内」「3日後に在庫の紹介」といった、一人ひとりに寄り添った流れを、手作業なしで届けられる。

Ribbonの LINEステップ配信 は、友だち追加トリガーで段階的に自動送信し、間隔を分・時間・日で指定できる。間隔の数え方には1つ注意がいる。1通目は「友だち追加から」の遅延、2通目以降は「前のステップから」の遅延で指定する。だから下の例の「1日/3日/7日」は、追加日からの通算ではなく、直前の通からの間隔だ。実際の着信は、追加から1日後・4日後・11日後になる。

何回目 間隔の指定 追加からの通算 内容の例
1通目 友だち追加から:直後(自動応答のあいさつと併用) 当日 来店御礼・店舗紹介・できることの案内
2通目 前の通から:1日後 約1日後 試乗予約の導線・人気車種の紹介
3通目 前の通から:3日後 約4日後 来場特典・見積り相談の呼びかけ
4通目 前の通から:7日後 約11日後 在庫・キャンペーン・スタッフ紹介

通算で「追加から1週間後に届けたい」なら、前の通からの間隔を足し算で逆算して置く。ここを取り違えると、狙いより配信が後ろ倒しになりやすい。

重要なのは、これが「送りたい時にまとめて送る」一斉配信ではなく、相手の時間軸に合わせて自動で流れる点だ。柏木の店のように「追加されたが放置」という空白を、構造的に埋められる。

なぜ友だち追加した人を「育てる」必要があるのか

友だち追加した時点の見込み客は、まだ買うと決めていない。だから一度の案内で動くことは少なく、適切な間隔で接点を重ねて検討を進めてもらう「育成」がいる。

自動車は高額で、検討期間が長い商材だ。家電のように「見て、その日に買う」ことは稀で、試乗し、家族に相談し、他店と比べ、ローンを計算し——という工程を数週間から数ヶ月かけて踏む。この長い検討の間に接点が切れると、顧客は記憶の中で他店に流れる。

ここで効くのが、節目ごとに「忘れられない」接点を置くことだ。

これを担当が一人ずつ手で追うのは、友だちが増えるほど不可能になる。柏木が120人を毎日手で追えないのと同じだ。だからシナリオに落として、追加日を起点に自動で流す。「育てる」とは、放置しないことを仕組みにすることにほかならない。

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固定遅延で組むということ:自動最適化はしない前提

ここは正直に書いておきたい。Ribbonのステップ配信は 固定の遅延時間 で送る。設計者が「1通目は追加から直後」「2通目は前の通から1日後」と決めた間隔で流れる方式で、相手ごとに最適な送信時刻をAIが自動で見つけて調整する機能はない。

つまり、Aさんが夜型でもBさんが朝型でも、シナリオで「翌日の午前」と決めれば全員その遅延で届く。送信時刻のA/Bテストや、開封されやすい時間帯への自動振り分けも行わない。これは弱点ではなく、設計の責任が人側に残るということだ。

だからこそ、初回の間隔と本数の設計が成否を分ける。具体的にはこう考える。

  1. 間隔は商材の検討速度に合わせる — 自動車は検討が長いので、分単位の連投は不要。日単位を基本に、初日だけ「直後+翌日」と詰める
  2. 本数は欲張らない — 育成シナリオは3〜5本から。多いほど良いわけではなく、配信停止・ブロックの呼び水になる
  3. 送信時間帯は固定で常識的に — 深夜や早朝に届く設計は避ける。日中〜夕方の、相手が見やすい時間に寄せる

自動最適化がないことを嘆く必要はない。むしろ「いつ・何回・何を送るか」を自分の言葉で決めるほうが、ディーラーの繁忙期や商戦期の文脈に合わせやすい。決算期にはシナリオを差し替える、といった判断も人が握れる。

友だち追加からのシナリオを設計する

シナリオ設計の核は、ゴールから逆算して各メッセージの役割を1つに絞ることだ。1通に複数の目的を詰め込むと、相手は何をすればいいか分からなくなる。

ステップ配信のシナリオ編集画面。ステップごとに送信間隔(友だち追加から0時間後・前のステップから2日後)とメッセージ本文を設定するRibbonの画面
シナリオ編集。ステップごとに「友だち追加から◯時間後」「前のステップから◯日後」の固定間隔と本文を組む。1通=1つの役割で並べる

自動車ディーラーで友だち追加が起きる典型的な入口は、来店・試乗・車検案内・イベントだ。入口ごとに相手の温度は違う。ここでは「店頭ポスターや試乗予約から追加した見込み客」を例に、1本のシナリオを組んでみる。

ゴール:試乗予約、または見積り相談の発生

設計のコツは3つある。第一に、1通=1メッセージ=1アクション。第二に、売り込みは2通目以降に。追加直後にいきなりクーポンを連打すると、人は身構える。第三に、最後は逃げ道を作る。4通目まで無反応なら、しつこく追わず通常配信に戻す。粘りすぎはブロックを招く。

なお、車検満了の案内のように「車両の満了日」を起点にしたリマインドは、ステップ配信ではなく車検リマインダーの機能が担う。友だち追加トリガーの育成と、保有車両の満了日トリガーの案内は別物として組むと、シナリオが混線しない。

ステップ配信と自動応答の使い分け

ステップ配信と自動応答は役割が違う。ステップ配信は「こちらから順番に送る育成」、自動応答は「相手の動きに即時で返す受け答え」だ。両者を組み合わせて、漏れのない接点を作る。

LINE自動応答の設定画面。友だち追加直後のあいさつメッセージとキーワード応答を設定するRibbonの画面
自動応答。友だち追加直後の「あいさつ」や、受信内容に応じた「キーワード応答」を設定。ステップ配信が育成なら、自動応答は取りこぼさない受け答え(ルールベースの定型応答)

混同されやすいので、はっきり分けておく。

ステップ配信 自動応答
きっかけ 友だち追加(時間経過で進む) 相手の送信・特定キーワード・時間外
タイミング 設計した遅延で順次 即時
主な用途 段階的な育成・案内 あいさつ・即答・営業時間外の一次対応

Ribbonの LINE自動応答 は、グリーティング(友だち追加直後のあいさつ)、キーワード応答、時間外対応といった基本機能を担う。ここは「相手が動いた瞬間」に効く。一方ステップ配信は「相手が動かなくても、時間とともにこちらから話しかける」。

実務ではこう連携させる。友だち追加の瞬間は自動応答のグリーティングで温かく迎え、同時にステップ配信の1通目がその役割を引き継ぐ。営業時間外に「試乗したい」と来たら自動応答が一次返信し、翌営業日に担当が個別対応する——その個別対応は、テンプレートをベースに手動で送るのが基本だ。複雑な業務分岐までは自動応答に持たせず、込み入った相談は人が受ける。ここを欲張らないのが、破綻しない運用のコツだ。

配信したやり取りを顧客資産に残す

ステップ配信は接点を作るが、それだけでは顧客管理に残らない。配信をきっかけに始まったやり取りを顧客カードへ手動で紐付けて、初めて活動履歴という資産になる。

ここは誤解されやすい。LINEの友だちは、システムから見ると匿名のID(lineUserId)でしかない。表示名がニックネームのこともあり、それが顧客台帳の誰かだと機械が自動で言い当てることはしない。だから紐付けは人がやる。

段取りはシンプルだ。

  1. ステップ配信に反応して相手から返信が来たら、受信箱(line-inbox) で会話を開く
  2. 相手が誰かを本文・名乗り・電話で確認する
  3. 顧客カードを検索して、その顧客にこの会話を手動で紐付ける
  4. 該当する顧客がいなければ、先に顧客を登録してから紐付ける

紐付けが済むと、以降のやり取りはその顧客の 活動履歴 に残る。顧客の 360度ビュー を開けば、LINEでいつ何を話したかが、電話やメール・来店の履歴と並んで見える。担当が変わっても、新しい担当はカードを開くだけで経緯を追える。

ステップ配信を「送りっぱなし」で終わらせないために、ここは必ずセットで考えたい。配信は接点を生むまでが仕事で、生まれた接点を資産に変えるのは紐付けの一手間だ。反応した見込み客は、追客リストへ載せる候補でもある。条件で抽出してアタックリスト化し、担当の手当てに回す流れまで設計すると、配信が成約につながりやすくなる。

本数・頻度の歯止めと、効果の見方

ステップ配信で最も多い失敗は、送りすぎだ。本数と頻度に歯止めを置き、反応の数字を見て効かない回を削ることが、ブロックを増やさず効果を保つ要になる。

LINEは生活の中に入り込むチャネルだけに、頻度を間違えると即ブロックされる。メールより不快の閾値が低いと考えたほうがいい。歯止めとして、次を目安にする。

効果は感覚でなく、観測できるサインで見る。Ribbonはステップ配信に ステップ別のクリック計測 を備えている。各通のカード/ボタンに入れた遷移先リンク(来場予約ページなど)の押下を、シナリオの「効果」画面でステップごとに並べられる。見るのは、ステップ別の クリック数・クリックした人数・クリック率 だ。どの通が読まれて行動につながり、どの通が素通りされているかが、数字で分かる。

さらにステップ配信では、誰が押したかを友だち単位で抽出できる(一斉配信のクリック計測が配信全体の集計止まりなのと違い、ステップ配信は登録者1人ずつに送るため個人まで辿れる)。「ステップ3の試乗LPを押した人」を抜き出し、その場でタグを付ければ、絞り込み配信のタグ条件でそのまま再アプローチに回せる。反応した人を、次の一手の宛先に変えられるということだ。

これに加えて、後工程の手応えも併せて見ると判断材料が揃う。

見るポイント どこで見るか 打ち手
各通のクリック シナリオの「効果」画面(ステップ別クリック数・人数・率) 押されない通の内容・順番・リンク文言を入れ替える
クリックした人 「効果」画面の個人抽出(顧客カードに紐付いていれば氏名で表示) タグを付けて絞り込み配信で再アプローチ
各通への反応 受信箱の返信・スタンプ・問い合わせの増減 反応が薄い回の内容・順番を入れ替える
ブロック・配信停止の増減 友だち数の推移、特定の回の後の減り方 その回の内容・頻度を見直す
反応した人の来店・商談化 紐付けた顧客の活動履歴・来店履歴 効いている入口にシナリオを寄せる

注意点として、クリック計測が拾うのはカード/ボタンの遷移先リンクであって、テキスト本文中にそのまま書いたURLは計測対象外だ(受信者に計測リンクが露出しないよう、本文URLは書き換えない仕様)。数字で追いたい導線は、文中べた書きではなくカード/ボタンに置く。反応が薄い回は役割が曖昧か、頻度が過剰か、どちらか。崩れたら本数か内容を見直す。自店の平常時を観測して、そこからの変動で判断するのが現実的だ。

よくある失敗パターン

つまずきは「自動化に期待しすぎる」か「設計を省く」かのどちらかに集中する。代表的なものを挙げておく。

どれも機能の問題ではない。設計と運用ルールを省いたぶんだけ、効果が漏れていく

Ribbonが備えるLINEステップ配信の機能

Ribbon(リボン)は自動車ディーラー向けの統合管理SaaSで、LINE公式アカウント連携を顧客管理と一体で運用できる。本記事のテーマに関わる実機能は次の通り。

※送信間隔は固定遅延(1通目は追加から、2通目以降は前の通からの遅延)です。送信時刻の自動最適化、A/Bテスト、配信の予約最適化、受信メッセージからの顧客紐付けの自動化は本機能の範囲外です。ステップ別のクリック計測とクリック者の個人抽出・タグ付与は対応しています(クリック計測の対象はカード/ボタンの遷移先リンクで、テキスト本文中のURLは含みません)。

よくある質問(FAQ)

LINEのステップ配信とは何ですか?

友だち追加をきっかけに、あらかじめ用意したメッセージを段階的に送る仕組みです。Ribbonでは追加直後・翌日・数日後といった具合に、各メッセージを送る間隔を分・時間・日で指定してシナリオを組みます。一人ひとりに手で送らなくても、追加された人それぞれの起点から順番にメッセージが流れます。

送るタイミングは自動で最適化されますか?

最適化はされません。各メッセージの間隔は設計者が固定で指定します。「友だち追加から1時間後」「2日後」のように決めた遅延で送る方式で、相手ごとに最適な送信時刻をAIが自動で見つける機能はありません。だからこそ、初回の設計で間隔と本数を業務に合わせて決めることが重要です。

ステップ配信と自動応答はどう使い分けますか?

ステップ配信は「こちらから順番に送る育成シナリオ」、自動応答は「相手の動きに即時で返す受け答え」です。友だち追加直後のあいさつや、特定キーワードへの即時返信、営業時間外の自動返信は自動応答が担います。日をまたいで段階的に案内を届けるのがステップ配信で、両者は補い合います。

ステップ配信に乗せたやり取りは顧客管理に残りますか?

LINEの会話を顧客カードに紐付けると、やり取りは活動履歴として記録されます。ただし紐付けは手動です。受信箱で会話を開き、対象の顧客に紐付ける一手間を入れることで、LINEというチャネルでのやり取りが電話やメールと並んで360度ビューに残ります。

ステップ配信は何本くらい組むのが適切ですか?

本数に絶対の正解はありませんが、友だち追加直後・翌日・3日後・1週間後あたりを起点に3〜5本から始め、反応を見て増減するのが現実的です。多すぎると配信停止やブロックを招きます。各通のカード/ボタンに入れたリンクはステップ別にクリック数・クリック人数・クリック率が計測でき、押した友だちを個人単位で抜き出してタグ付け→絞り込み配信で再アプローチもできます。これに受信箱の返信や紐付けた顧客の来店・商談化を併せて見て、効いていない回を削ります(テキスト本文中のURLは計測対象外なので、数字で追いたい導線はカード/ボタンに置きます)。

SMSでも同じことはできますか?

RibbonはSMS送信機能を持ちません。段階的なフォローのチャネルはLINE・メールが中心です。LINEステップ配信は友だち追加した相手に、本人が使い慣れたLINE上で届けられる点が強みで、SMSの代替としてではなくLINEを前提に設計します。

まとめ

「友だちは増えるのに来店が増えない」と感じたら、まずは友だち追加から1週間ぶんの3〜5本を紙に書き出してみてほしい。各通の役割を1つに絞り、間隔を日単位で置く。それを固定遅延のシナリオに落とすだけで、柏木の店のような「追加して放置」の空白は、構造で埋まり始める。

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