
この記事の要点
- LINE の取りこぼしは、会話が営業の個人スマホに散らばり、店舗の誰が見ても返していない会話が分からないことから起きます
- 共有受信箱に集めると、担当が不在でも他のスタッフが代わって返せ、未読の表示で手の付いていない会話が分かります
- 受信した LINE は自動では顧客に紐付きません。会話を開いて顧客カードに手動で紐付けると、活動履歴に残り、その顧客の担当者に届く形で扱えます
- 折り返しを約束した会話はピン留めで上に固定し、返し終えたら外します
- 機能より先に、誰が、いつまでに、何を返すかを店の決まりにします
この記事で分かること
- 店舗で LINE の問い合わせを取りこぼす理由
- 共有受信箱、未読の表示、ピン留めで返し漏れを防ぐ運用の組み立て方
- 受信した LINE を顧客カードに手動で紐付ける段取りと、そこで残る記録
- 複数のスタッフで回すための当番、締め時間、引き継ぎの決め方
対象読者:自動車ディーラーの店長、フロント、営業とサービスの LINE 担当|読了目安:約9分
目次
店舗でLINEの問い合わせを取りこぼす理由
LINE は便利なので、最初は営業が自分のスマホで顧客と直接つながる形で広がりがちです。車検の見積もりの依頼も、試乗の空きの問い合わせも、担当の手元に届きます。返す人が決まっているうちは、それで回ります。
困るのは、担当が接客や外出、休みに入ったときです。その会話は、店舗の誰からも見えなくなります。前日の夕方に届いた見積もりの依頼が、翌日まで返されないまま残ることも起きます。担当に悪気はなく、後で返すつもりだった、ということもあります。
電話なら、鳴れば誰かが取ります。来店なら、受付にいれば気づきます。ところが LINE は、画面を開いた人の頭の中にしか、返さなければならない会話が残りません。
解きたいのは、LINE をどう速く返すかより、店舗の誰が見ても返していない会話が分かる状態をどう作るかです。この記事では、LINE の受信箱を店舗で運用し、複数のスタッフで返し漏れを防ぐための段取りをまとめます。
共有受信箱が個人スマホ運用と違う点
共有受信箱は、店舗の公式アカウントに届いた LINE を 1 つの画面に集め、複数のスタッフが同じ会話の一覧を見られるようにするものです。会話が個人の手元から、店舗のものになります。
Ribbon の LINE 受信箱は、店舗の公式アカウントに届いたメッセージを会話の一覧として表示します。店頭の PC でもタブレットでも、スタッフが同じ受信箱を開きます。iPhone と iPad はアプリ、そのほかの端末はブラウザで使えるため、外出中の担当者がアプリから返信することもできます。
| 個人スマホ運用 | 共有受信箱 | |
|---|---|---|
| 会話のある場所 | 担当のスマホの中 | 店舗の受信箱 |
| 担当が不在のとき | 誰も返せない | 他のスタッフが代わって返せる |
| 手の付いていない会話 | 担当の記憶頼み | 未読の表示で一覧から分かる |
| 引き継ぎ | 口頭やスクリーンショット | 顧客カードの活動履歴と社内メモ |
ただし、共有受信箱を入れただけでは返し漏れはなくなりません。会話が集まることと、誰が返すかが決まっていることは別だからです。一覧に会話が並ぶようになると、今度は並んでいるのに誰も拾わない、ということが起きます。これを防ぐのが、次の未読の表示とピン留め、そして当番の決まりです。
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未読の表示とピン留めで返す会話を落とさない
受信箱では、会話を開いて中身を確かめると、未読の表示が消えます。未読のまま残っている会話は、まだ店舗の誰も中身を見ていない会話です。朝いちばんに受信箱を開いて未読が残っていれば、夜や早朝に届いた問い合わせがまだ拾われていない、と分かります。
ここでいう未読は、店のスタッフが会話を開いたかどうかの印です。お客様がこちらのメッセージを読んだかどうかは、LINE の仕様上取れません。また、開いたことは、返したことを意味しません。読んで後回しにした会話も、未読の表示は消えています。
そこで使うのがピン留めです。対応が途中の会話をピン留めすると、受信箱の上に固定され、新しく届いた会話に押し流されません。使いどころは次のような会話です。
- 見積もりを作って、後で送ると約束した会話
- 在庫や入庫日を確かめてから、折り返すと約束した会話
- 店長の確認を待っている会話
運用の決まりは単純です。読んだら、その場で返すか、ピン留めするかのどちらかにします。返し終えたらピン留めを外します。こうしておくと、ピン留めされた会話の数が、その店舗で返し終えていない LINE の数になります。別のスタッフが受信箱を開いても、上に固定された会話を見れば、誰かの対応が途中だと分かります。
受信したLINEを顧客カードに手動で紐付ける段取り
受信した LINE は、自動では顧客に紐付きません。会話を開き、顧客カードを検索して、人が紐付けます。この一手間が、活動履歴への記録と引き継ぎのきっかけになります。

LINE の友だちは、システムから見ると匿名の ID です。表示名がニックネームのこともあり、それが顧客台帳のどなたかを、システムが言い当てることはしません。だから紐付けは人が行います。段取りは次のとおりです。
- 受信箱で会話を開きます
- 相手がどなたかを、本文の名乗りや、これまでのやり取り、必要なら電話で確かめます
- 顧客カードを検索し、その顧客に会話を紐付けます
- 当てはまる顧客がいなければ、先に顧客を登録してから紐付けます
紐付けが済むと、以後のやり取りはその顧客の活動履歴に残ります。その顧客の担当者に届く形で扱えるので、担当者が返信すれば、送受信の記録も履歴に残ります。顧客カードを開けば、LINE でいつ何を話したかが、電話やメールの記録と並んで見えます。担当が替わっても、新しい担当はカードを開くだけで経緯を追えます。
この一手間を後回しにすると、共有受信箱に集めても、会話は誰のものか分からない断片のまま流れていきます。新しい問い合わせなら、紐付けと顧客の登録をその場で済ませるのを基本の動きにします。
個別の返信は、テンプレートを元に、相手に合わせて一部を直して送れます。あいさつや見積もりの案内の文面を用意しておくと、誰が返しても文面の質がそろいます。
複数スタッフで回す当番・締め時間・引き継ぎ
道具をそろえても、誰が返すかが曖昧だと、みんなが見ているから誰かが返すだろう、で結局誰も返さないことがあります。最低限、次の 3 つを店で決めておきます。
- 一次対応の当番。時間帯ごとに、まず受信箱を見る人を 1 人決めます
- 折り返しの締め時間。例えば「営業時間内に届いた LINE は、当日中に一次返信」のように、目安を文字にしておきます
- 引き継ぎの作法。自分で返せない会話はピン留めし、顧客カードに紐付けたうえで、社内メモに何を約束したかを書いて担当へ渡します。口頭の「あれ返しといて」だけで終わらせません
Ribbon は店舗ごとに公式アカウントを接続し、受信箱も店舗ごとに分かれる作りです。会社で 1 つの公式アカウントを全店で使っている場合は、店舗ごとの見せ分けをどうするかを導入前にご相談ください。
一次返信の文面を 1 本持っておくと、立ち上がりが早くなります。例えば次のような文面です。
〇〇店です。お問い合わせありがとうございます。担当より追ってご連絡いたしますので、少々お待ちください。
当番がこの一次返信をすぐ返せるだけで、お客様の「返事が来ない」という不安は和らぎます。中身の回答は、そのあと担当が落ち着いて返せます。
運用が定着しているかを確かめる目安
定着しているかどうかは、感覚ではなく受信箱の様子で確かめます。店長が週に 1 度、受信箱を開いて次の点を見るだけでも、決まりが形だけになっていないかが分かります。
| 見る点 | 確かめること | 目安の考え方 |
|---|---|---|
| 営業終了時の未読 | その日の LINE を拾い切れているか | 閉店時に残らないほどよい |
| ピン留めのまま残っている会話 | 折り返しの約束を放置していないか | 何日も固定されたままの会話は声をかける |
| 顧客の印のない友だち | LINE が顧客カードにつながっているか | 連絡先一覧で、紐付いていない友だちを減らす |
| 一次返信までの時間 | 当番が回っているか | 営業時間内は短いほど安心につながる |
どれも細かな数字を競うものではなく、運用がゆるんだしるしを見つけるためのものです。未読が毎晩残るなら、当番が回っていません。ピン留めが何日も残るなら、締め時間が守られていません。崩れたら、機能ではなく決まりを見直します。
適正な水準は、店舗の規模や友だちの数で変わります。まずは自店のふだんの様子を 1、2 週間見て、そこからの変化を追うのが確かです。
よくある失敗パターン
つまずきは、入れたのに運用を決めなかったところに集まります。よくある例を挙げます。
- 共有受信箱を入れたが当番を決めず、結局個人スマホに戻る。全員で見るは、誰も見ないになりやすいため、一次対応の当番を置きます
- 開いたのに返していない会話がたまる。開いたことと返したことを混同しています。読んだら返すかピン留めするかを徹底します
- 顧客カードに紐付けないまま会話が流れる。後でまとめて、はたまって終わりがちです。会話を開いたその場で紐付けます
- 当番の範囲が店舗をまたいで曖昧になる。どの店舗の受信箱を誰が見るかを、当番表に書いておきます
- 配信を増やしてブロックが増える。受信箱の運用と配信は別のものです。絞り込み配信や一斉配信は、送る頻度の設計とあわせて考えます
どれも機能の問題ではありません。決まりを省いた分だけ、漏れが戻ってきます。
Ribbonが備えるLINE受信箱運用の機能
Ribbon は、LINE 公式アカウントの連携を、顧客管理と一体で運用できます。LINE 連携は有料オプションで、自社の LINE 公式アカウントで Messaging API を有効にしていることが前提です。この記事に関わる機能は次のとおりです。
- LINE 受信箱(LINE 連携、有料オプション) — 店舗に届いた LINE を共有の受信箱に集めます。未読の表示、ピン留め、タグ、社内メモで整理し、複数のスタッフで返し漏れを防ぎます
- 個別メッセージの送信 — テンプレートを元に、相手に合わせて手で直して送ります。iPhone と iPad のアプリからも送れます
- 友だちと顧客カードの紐付け — 会話を顧客カードに手動で紐付けます。受信したメッセージから自動で紐付く仕組みはありません。紐付けた後は、その顧客の担当者に届く形で扱えます
- 活動履歴 — 紐付けた LINE のやり取りを顧客の活動履歴に残します。電話やメールの記録と並べて見られます
- 店舗ごとの公式アカウント — 店舗ごとに公式アカウントを接続し、受信箱と配信を店舗ごとに管理します
受信箱の機能としては、予約送信や定期の自動送信を含みません。キャンペーンなどの配信は、LINE の配信機能(絞り込み配信、一斉配信、ステップ配信)で行います。料金の目安は料金ページで確認できます。
よくある質問(FAQ)
営業時間外に届いた LINE は、どう扱えばよいですか?
店舗の受信箱は、誰が見られるのですか?
キャンペーンの案内を、受信箱から予約して送れるのですか?
LINE 連携を使うのに、費用はかかるのですか?
まとめ
まず、今週の営業時間ごとに、一次対応の当番を 1 人ずつ決めて書き出してみてください。あわせて、折り返しの締め時間を 1 行の決まりにします。当番が朝いちばんに受信箱を開き、未読とピン留めの会話を確かめるところから始めれば、担当の手元に閉じていた LINE が、店舗の誰でも拾える会話になっていきます。
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